キャバレー、J.カンダー

「ウィルコメン!ビアンヴニュ!ようこそ!」 -伝説のミュージカル「キャバレー」がウィーンフォルクスオーパーで幕を開けると皆様は舞台からこう挨拶されます。ナイトクラブを舞台にした官能的なパフォーマンス、人間らしい人々のお互いの関係、増大する政治的・社会的不安を描いたこの有名なミュージカルは、1972年に映画化され、ライザ・ミネリが一躍国際的スターになりました。この作品が、新しくライブで公演され、こうした問題や登場人物の弱さは、いつの時代の人間の精神にも深く染み込んでいることを改めて感じさせます。1930年代を背景とした、人間への温かい思いと示唆に富むこのクラシックな舞台作品をお楽しみください。

この作品の音楽は才能あふれるジョン・カンダーが、作詞は機知に富むフレッド・エブが担当しました。ドイツのワイマール共和国のゆっくりとした終焉から、国家社会主義ドイツ労働者党の台頭にかけてのストーリーで、ベルリンの安っぽいキットカットクラブの舞台が巧みにそれを象徴しています。キャバレーの司会者が次々に音楽を紹介、それぞれ、ビターなユーモアと喜びが感じられない笑いによって、社会政治的緊張が高まっていくことを表しています。キットカットクラブでのショーが次第に反ユダヤ主義的、急進的になるにつれて、ベルリンをはじめドイツの各地域の雰囲気は、国家社会主義の教義に染まっていき、よく知られた悲劇へと向かっていきます。

こうした重たい社会を背景に、アメリカの作家クリフ・ブラッドショーとイギリスの歌手兼ダンサーのサリー・ボウルズの間に愛が芽生えます。悪はゆっくりと皆の周りに根を下ろしますが、二人はそれを気にもかけず、その日その日の人生を生きています。二人の周りの、政治的に誤った友情とロマンスはうまくいかず、ユダヤ人やゲイの友人はトラブルに見舞われ、暴力は日常茶飯事となってしまいます。陽気な歓迎の前奏曲は、不吉な行進曲へと変わっていきます。

「キャバレー」は1966年11月20日にブロードウェイのブロードハースト劇場で初演され、長年関心と称賛の的でした。そして1972年には、ライザ・ミネリ、マイケル・ヨーク、ジョエル・グレイを主演とする映画が制作され、絶賛されました。今シーズン、この作品がウィーンのフォルクスオーパーで公演されます。

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