マクベス、G. ヴェルディ

ジュセッペ・ヴェルディのオペラ「マクベス」は、作曲家自らガレー船奴隷期と呼んだ時期の真最中に書かれました。ヴェルディは、まだ20代後半で、乳飲み子だった息子2人と妻を失いました。それでも、悲しみに屈することなく、仕事に力を注ぎ、1842年から1853年までに、驚いたことに、「ナブッコ」を始め「椿姫」まで17曲ものオペラを書きました。

ヴェルディは、マクベスを『何か特別なもの』にしたいと望んでいました。このオペラを義父に献呈したことからも、彼が本当に特別なものを書く決心だったことが明らかです。

ヴェルディは、その作曲家としての生涯を通じて、シェークスピアからインスピレーションを受けていました(彼の最後の2曲のオペラ「オテッロ」と「フォルスタッフ」は、バードの戯曲を基に書かれました)。ですから、彼の「マクベス」がシェークスピアの悲劇をこれほど忠実に脚色していることは当然とも言えます。野心的で策謀にたけた妻によって操られているマクベスは、スコットランドの王座につくため、自分のライバルを次々と殺していきます。けれども、魔女の予言への過信から、自分で作り出した悪魔にとりつかれてしまうのでした。

「マクベス」により、ヴェルディは世界的な名声をほぼ達成しました。その時代の慣例にこだわらず、展開するドラマをすばらしくみごとに支える音楽を書いたことは、彼の偉業と言えましょう。マクベス夫人のアリア「Si colmi il calice di vino eletto」、またバンコーの幽霊の出現をすすんで受け入れる彼女と、恐れと不吉な予感に震えるマクベスとアンサンブルの反応との間の不穏な対比などに、彼の独創性が光っています。
この「マクベス」は1847年にフィレンツェで初演されました。今回は、イタリア巨匠の傑作すべての中で、最もドラマ性が高いとも言えるこのオペラが、ウィーン国立歌劇場で演奏されます。

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